クリストファー・パークニング2005/10/03 23:53

「亜麻色の髪の乙女」のジャケット
 

クリストファー・パークニングの来日演奏会があったとのこと

朝日新聞の夕刊で知ったが田舎住まいで遠方であるし、とても今からでは切符も手に入るはずも無し、
どんな演奏だったろうと気になりながらWeb検索してみると何人かの方がブログで様子を伝えてくれていた.

パークニングに出あったのは1977か78年.NHK FM、皆川達雄さんの「バロック音楽の楽しみ」でだった.
当時大学生でギタークラブだった私はFM雑誌でギター音楽をチェックして自分のクラシックギターの世界を拡げているところだった.
番組で紹介されたレコードは「亜麻色の髪の乙女」(1976年) のA面

プレアンブロとアレグロ  伝スカルラッティ  ?ポンセ
サラバンドと変奏曲   ヘンデル
メヌエット        ヘンデル
ジーグ     伝ビゼー  ?セゴビア
パッサカリア  ヴァイス
神秘の防壁  クープラン

このレコードのB面にはタイトルにもなっているドビュッシーの亜麻色の髪の乙女やサティーなどが有り、実は未だに聞いていないのだが、
バロック音楽という番組のタイトルからB面が紹介されないのは当然なのだと今にして思う.
まず好きになったのはパッサカリアで全音?のギターピースが販売されていたのでこれを元に、パークニング編で変えているところをコピーして何とか弾けるようになった.
その後5年間ぐらいはソロで弾く機会があるとこの曲を演奏した.
その次はプレアンブロとアレグロで、この曲により古舞曲を模したポンセが好きになり、イ短調の組曲やジョン・ウィリアムスのポンセ集に入っているホ長調のプレリュードを練習したものだった.
すごい技術と音楽性を持つパークニングを発見してしまった自分としては次を探るべく、秋葉原の石丸レコードに行き2枚組みのパークニングベスト集?(東芝エンジェル?)を購入.
この2枚目はバッハ集で、フーガ、シャコンヌ、無伴奏チェロ組曲などで圧倒された.
どれもすごいがパークニング自身の編曲物のコラール「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」は深く感動する演奏である.
結論的に表現するとパークニングの演奏は人間が弾いているように聞こえない.そこに神が存在しているような宗教的、芸術的体験として感じられた.

その後、モンタナ州立大学の先生になって田舎に引っ込んでしまったとか新聞で読んだり、あまり世間(日本では)には出てこず、その才能が惜しまれるという世の中の見方だったと思う.

私、個人としては1985年に滞米しTVのグラミー賞中継でセゴビアの替わりに弟子としてパークニングが出演し、
舞曲(ルイス・ピポー  歌と舞曲1番)
カナリオス (サンス)
を演奏するのを観たが、場違いな感じで気の毒だった.マイケル・ジャクソンやプリンスの横でルネッサンス舞曲を弾く姿を想像していただければ判ると思う.

それから長い年月が経った.曰く、「32年ぶり奇跡の来日」

ブログで伝えられるところでは相変わらず完璧な技巧らしいが、声楽との共演であったり、アランフェスは2楽章だけ(1,3楽章省略???)とか溢れる才能がありながら自分を前面に出さない片鱗が想像された.
ぼちぼちコンサート評などが出てくるだろう、TV放映もあるかもしれない.楽しみに待ちたい.
 
 

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