自転車の楽しみ2015/04/02 20:37

愛車 Bianchi Passo
 今日は自転車についてお話したいと思います.皆さんも子供の頃は乗られたのではないかと思いますが、最近、いわゆるママチャリとは別にスポーツサイクルとして随分ブームになっていると思います.私は10年程前から、このスポーツサイクルで自転車を再開しましたので、子供時代の思い出を含めてこれまでの自転車との付き合いをご紹介したいと思います.
 最初に自転車を買ってもらったのは小学校2年になるときだったと思いますが、ブリジストンの24インチの子供用でした.ネットで似たような写真を探してみましたが、こんな感じと思います.当時、小学生は皆、似たような自転車を持っていて、移動の足はこれでした.公園やグランドや友達の家など、子供たちが集まる場所には自転車が鈴なりに置かれていたのを思い出します.
 野球に行くときの標準的なスタイルは、後ろの泥除けの横にバットを挟み、ボールは前輪のスポークの間に押し込んでグローブをハンドルに吊るすという格好でした.
 最近は稀ですが、ブレーキがロッドで連結駆動されるものが多く、ハンドルが廻り過ぎてロッドが折れることが多かったと懐かしく思い出しました.
 高学年になると仲間と遠出のサイクリングに行きたくなり、スポーツタイプの自転車がほしくなります.その頃の自転車事情をネットで調べていて大変、懐かしく想い出したのが方向指示器、フォッグランプ、油圧ブレーキ、ディスクブレーキなど少年用自転車拡販戦略の時代でした.こういう広告が少年マガジンやサンデーの裏表紙を飾っていたものです.さすがに実用的でなく子供だましと親は思い、買ってもらえませんでした.
 結局、小5の時にミヤタのセミドロップ、5段変速の26インチを買ってもらい、中学にかけて仲間と近場のサイクリングに行きました.機械式のスピードメーター兼距離計、空気入れ、後ろの荷台に左右に提げるツーリングバッグを装備してましたが、標準スタイルだったと思います.
 セミドロップハンドルは今は見かけませんが、当時はドロップは背中が曲がる?少年には危険?とのことで中学で禁止されており、セミドロップが普通でした.
 機械式スピードメーターはこういう歯車の回転をワイヤーで伝えるもので、今から考えると随分、負荷になるものですが距離が積算されてうれしかったものです.結局、この自転車は高校の通学まで使いました.
 次に自転車を買ったのは就職して日立に来てからです.石名坂に寮が有り、交通が不便だったので大みか工場への通勤も考えて、車の前に自転車を買いました.その当時の少年達には憧れだったブリジストンのロードマン.これはカラーやパーツアセンブリがカスタマイズ出来るというヒット商品です.今度はドロップハンドルのシルバーで、27インチ12速です.入社2年目で49,800¥、10万弱の手取りにとっては大きな買い物でした.
 もっぱら通勤に使いましたが、帰りの上りが長いのと冬の寒さは辛かったです.休みには日立や勝田あたりまで足を伸ばしましたが、一番の思い出は一泊二日で千葉(流山)の実家を往復したことです.83年2月のことですが、当時は今のようにネットで地図情報や道路事情を調べることも出来ず、ドライブ用の道路地図しかありませんでしたので、もっとも単純なルート、6号線の往復でした.隣りを車が通過するので気を抜けずに気楽なサイクリングとは行きませんが、とにかく目的地へ到達することだけを考えて、途中、美野里と牛久で休憩しながら、利根川を越えると、もう勝手知ったる自分の庭という感じで辿り着きました.翌日は来た道を戻って、夕方には寮に帰り着いて風呂に入りました.同僚に千葉まで自転車で往復して来たと言って驚かれました.良くできたものだと思います.
 この後は仕事が忙しくなり、結婚したりで自転車に乗る機会もなくなって20数年、自転車から遠ざかりました.次に再開したのが2005年、歳も40後半になり運動不足のメタボ対策と知らない街を探索しようというポタリングの興味で自転車の雑誌を見てみると随分進化して様変わりしているのが判りました.従来からのロードレーサーに加えて80年代後半からマウンテンバイクがアメリカを発祥として人気となりました.これは山などのオフロードを走るため、頑丈なフレームとサスペンションを装備し、ハンドルはしっかり握り続ける必要があるためにドロップではなくフラットバー、変速ギアは山の上り下りに対応すべく広い可変速範囲のギア比として前3枚、後ろ9枚といったものです.
その後、このマウンテンバイクとロードレーサーの中間のような、街乗りを快適にするコンセプトでクロスバイクというタイプが出来ました.これが自分にピッタリと思い、今風のサイクルショップに行って購入しました.2006年のことです.
Bianchi Passo 2006型: これがネットの広告で仕様を表していますが、700C(27インチ)のイタリアブランドのしゃれた街乗り用の自転車です.約9万円で購入していますが、82年にブリジストンのロードマンを49800円で買ったことを思うと随分割安に感じます.
82年当時、ヨーロッパ車を買うなどとは夢のような話でした.これもそうなのですが、現在、世界のスポーツサイクルはほとんど台湾で作られているそうです.この広告を見ると良く判るのですが、ホイール、サスペンション、フロントドライブ、リアドライブなどと使用している部品のメーカー名と型式が列挙されています.現在のスポーツサイクルではグローバルな標準化、パーツ互換化が進み、部品メーカとそれらを組合わせて本体を構成する車体ブランドメーカーがあり、これらが台湾で組立てられるという格好になっているそうです.
パソコンに詳しい方はお気づきと思いますが、パソコンの世界に非常に良く似ていると思います.パソコンもCPU、マザーボード、メモリ、ハードディスク、グラフィックボードなど標準化、互換化された部品メーカーとRenovoやASUSなどの本体メーカー、iPodのEMS委託製造など中国系の台頭です.
日本メーカーではシマノが部品メーカーとして、イタリアのカンパニョーロと独占している状況です.現在のスポーツサイクルでシマノが躍進することになった2つのコンポーネントが有名ですのでご紹介します.
シマノは変速機が主力製品ですが、1つ目はSIS(シマノインデックスシステム)と呼ばれる変速機構で、ご存知のように自転車はペダルで回転させられる前側の歯車(2~3枚)と後輪に付けられた後ろ側の歯車(9枚程度)の組合わせをチェーンで駆動しますが、変速の為にチェーンを掛ける位置を移動させて歯車の組合わせを変えます.これを手元のレバー操作の引き代でアナログ的にディレーラー位置を変えていたのが従来であり、1段づつスムーズにチェーンを移動させる技量が要求されました.このワイヤー操作をラチェットで固定的に行い、チェーンが歯車間をスムーズに渡れるように歯車形状も変更させたものがSISで、ワンタッチで変速が行えるようになりました.もうひとつがSTI(シマノトータルインテグレーション)と呼ばれる、ブレーキレバーとシフトレバーを一体化させたもので、この2つにより、ライダーは常時ハンドルを握ったままシフト操作が出来るようになりました.これはマウンテンバイクのように荒れた山道を走る為の自然な要求から始まりましたが、今ではロードレーサーにも、レース中の微妙な駆引きで変速タイミングを逃さない為に必須の機能となり、スポーツサイクル全体に普及しています.
シマノの変速機の例をご紹介しましたが、このように現在の自転車ではパーツの標準化、互換化が進んで、ネット調達で何でも手に入りますし、マニュアルも容易に検索することが可能です.自分の好みでパーツ交換してカスタマイズや消耗品の交換などメカいじりの楽しさが味わえます.
次に私の最近の自転車乗りのスタイル、楽しみ方をご紹介します.最近では良く、ぴたっとしたボディースーツにヘルメット、サングラスでロードレーサーに颯爽と乗っている人々を良く見かけるようになりました.私は照れも有り、ああいうスタイルは取らずにもっぱら気楽に自転車散歩、ポタリングを楽しんでいます.日立周辺の他に、車輪着脱が容易ですので車で運ぶことも出来ますし、未だやったことはありませんが電車で輪行(火野正平のスタイル)することも可能なので遠出も出来ます.
自転車のメリットは車では躊躇するような裏道、狭い道を試行錯誤しながら探索できて、かつ徒歩よりも圧倒的に行動範囲を広げられることです.
しかし、日立の街の道路事情はあまり自転車にやさしくありません.車の交通量が多く、気が抜けないのと山がちで坂が多いことです.休日の早朝など時間を選べば、のんびりとポタリングを楽しむことも可能ですので、いくつかお勧めコースを紹介します.
・自宅付近巡回コース(大久保~金沢~大沼~水木~河原子~桜川 約60分)
・山側道路 (高低差の判る地図を利用すると良い.ex:ルートラボ)
・久慈川堤防(久慈川サイクリングコース)
・ひたち海浜公園
・水辺周りは平坦で走りやすい(涸沼、千波湖、霞ヶ浦)
・つくばりんりんロード(筑波鉄道廃線跡地)

みなさんも若かりし頃を思い出して自転車で爽快な風を味わっては如何でしょうか?
最近では自転車用のナビもあるようですし、私は定年後は全国を廻ってみたいなと楽しみにしています.  ご清聴有難うございました.
以上