紙飛行機について2014/04/19 09:59

     紙飛行機、ペーパーグライダーについて
  2014/4/17  地区の集まりにて

紙飛行機とは

・紙飛行機の分類(組立て式切紙飛行機、日本で特異に発達)
紙飛行機というと折り紙飛行機をまず思い浮かべると思いますが、私がご紹介するのは紙から切出した部品を貼り合わせて組み立てる「組立式切紙飛行機」と分類されるもので「ペーパーグライダー」と呼んだ方がピンと来るかもしれません.
・二宮さんの「紙飛行機」が原点
紙を部材に使うということは強度や耐水性の面から、世界でもあまり行われていませんが、二宮康明さんが、軽量で貼り合せることにより一定の強度を持ち、ラッカー塗装により耐水性を持たせた「紙飛行機」を確立され、日本の愛好家の間で普及しています.
・私のきっかけ 
2002年息子が小学校に上がった折に「ゆとり教育」で土曜が休みになりましたが無料デイのシビックセンタのミュージアムショップで二宮さんのSkycubを購入してきたのが「私」がはまったきっかけです.2002年~2007年までどっぷりつかりました.最近はご無沙汰していますが想い起こして書いています.

設計の楽しみ

・紙飛行機の構成要素
基本的に揚力を得る為の主翼と、主翼の気流に対する角度を制御する尾翼(水平安定板)、方向を制御する尾翼(垂直安定板)を胴でつないで構成します.
主翼には揚力を発生させる為にキャンバーがつけられます.
愛好家たちは専門用語を使って会話をすることが好きで、主翼、尾翼の各部分を翼弦、前縁、後縁、エルロン、フラップ、エレベーター、ラダーと呼びます.ちょっと生意気に感じるかもしれませんがこういう用語を覚えないと飛行調整が出来ません.
・飛行の為の要件
3方向のつりあい(ピッチング、ローリング、ヨーイング)
 ピッチング:主翼の気流に対する角度(迎え角)を安定させる、飛行機にとってメインの調整で、主翼とエレベーターの取付角差を調整する.具体的には水平尾翼(エレベーター)のたわみを指で調整する.
 ローリング:主翼に上半角を付けることで復元力を持たせる.飛行調整時は左右のエルロンを指でたわませる.
 ヨーイング:方向安定(風見安定).垂直安定板(ラダー)を装備することで方向安定を確保.機体の旋回の為にラダーを使うこともあるが、私は使いません.水平安定板(水平尾翼)を傾けて付ける、スタブティルトという方法を使っています.
・重心位置、尾翼容積率、翼形、翼の平面形
これらは機体を設計するときの代表的なパラメータになり、一般的な指標がありますので初心者でも飛ぶ(滑空する)機体を設計することが出来ます.
・CADによる設計、優れたフリーウエア
自分で設計した機体を製作、飛行させることは非常な楽しみですが、これまで説明した難しい航空力学を必ずしも理解する必要はありません.自分の好みの外形寸法、主要パラメータを与えると詳細を計算し、部品図まで展開してくれるCADがあります.発進速度、角度、傾きなどの飛行条件を与えて飛行経路、滞空時間のシミュレーションまで出来ます.非常に優秀かつ寛容な愛好家の方がおられてフリーウェアとして提供してくれています.これ一本ですべて出来るのでおそらく全ての自作紙飛行機愛好家が使っているのではないかと思います.
・私の設計方針、中型、薄翼、軽量、投げ上げ重視
 私は子供の頃、野球をやっていたので肩に(少し)自信があります.従って他人よりも高く、飛行機を投げ上げたい思いがあります.そこである程度軽量で、多少荒っぽくスナップを利かせて投げられる薄翼、中型の機体を作っています.

製作の楽しみ

・紙取り、強い繊維方向
紙飛行機の製作にはケント紙を使います.好み、こだわりによって部品によって材質、厚みを変える人もいます.部品によって必要な強度方向があるので紙の繊維方向に合わせてレイアウトします.自分の必要な繊維方向(紙の目)の用紙を得るために全紙を買って裁断することもあります.
・工作精度の重要性
紙飛行機をまずは15秒飛ばせれば一人前と思います.しかし15秒の壁は厚いです.15秒滞空する飛び方というのは、15m程度の高さに投げ上げたあと、30m程度の円を描いて旋回し、1m/s程度の降下率で滑空する飛び方です.従って機体はゆるい旋回をするように仕上げる必要がありますが、これが難しい.機体がゆがんだり、ねじれたりしているからです.工作精度が要求されます.
・構造・製法の改良、ジグの製作(2.5mm角棒(ワイパー芯))
従って、構造、ジグなど工作方法を改善していくことも重要なテーマとなり、愛好家達はネット上で製作方法や部材の評価の情報交換をして競い合っています.例えば私の機体は胴体を中空二重四角胴という構造にしていますが、紙を折って貼り合せた3mm角の角パイプを使います.このとき2.5mm角材を芯にして作るのですが適当なものが手に入りません.ワイパーゴムブレードの芯を3枚貼り合せるのだと教えてもらいました.
・接着剤
紙同様に接着剤は重要な部材です.広い接着面では紙がふやけないように水性ではないセメダインCを使います.一方、セメダインは乾燥時に収縮するので尾翼取付部などひずみをきらう箇所にはボンドを使ったりします.
・塗装
芝生などの朝露でぬれるのを防止するのにラッカーを塗ります.やはり紙がふやけないように油性ラッカーを使いますが、セメダインがシンナーでゆるまないように乾燥させた後に塗装します.
・一個流しかロット製作か、工業製造の疑似体験
接着剤、塗料を使うために乾燥工程があり、1機製作するのに2~3日はかかります.競技会出場時は3~4機は持って行きますので複数機を同時製作します.ジグの数などによって工程を考えますがチョットした工業製造の疑似体験です.数百円の材料費で2~3日楽しめます.

飛行の楽しみ

・フリーフライト
ラジコン機などの模型飛行機と違って紙飛行機は操縦が出来ない、つまり発進させた後は全て機体の持った特性のみによって飛行が決まる、ということで「フリーフライト」と呼ばれています.従って予めの機体調整と投げ上げ速度、角度及び傾きの調整のみが出来ることです.
・スポーツとしての手投げ(ハンドランチング)
投げるイメージは大体、野球の外野手のバックホームに近く、軽く助走して投げます.しかし、野球のボールが130~150g程度であるのに対し、手投げ用の機体は10~20g程度であり初めは空振りになります.指が引っ掛かるようになると軽い分、100km/h超?の速度で投げられるようになり面白いように高く上がります.全身を使ったスポーツの感覚です.
・右旋回上昇、左旋回滑空
左旋回をするように調整された機体を高く上げるためには右に45度程度傾けた姿勢で発進させます.すると機体は徐々に左にロールしながら上昇し、最頂点で左旋回滑空に移行させるのが最高の飛行です.うまくいくと30m程度まで高度を取ることができます.
なかなかイメージをお伝えしにくいですが、イメージ図を引用します.
・発進と滑空の両立(機速 5m/s~30m/s)
フリーフライトで説明したように発進後、機体を制御することは出来ませんが、発進~上昇と滑空の2つの異なった環境を飛行する必要があります.発進時と滑空時の機体速度の差は、約30m/sと5m/sであり、これが機体が受ける空気力(揚力)の差になります.この発進と滑空を両立させる設計と調整が紙飛行機の醍醐味です.
・競技会
日本紙飛行機協会 全日本紙飛行機選手権大会 (市販機のみ 60秒Max 5投計)
日本大学航空研究会 木村杯 (60秒Max 8投 上位5投計)於武蔵野中央公園 など
・茨城地区の同好会、グランド
いわき紙飛行機をとばす会(鮫川河川敷)
つくば紙飛行機をとばす会(茎崎運動公園)
水戸紙飛行機クラブ(千波湖四季の原)などありますが、日立にはないようです.
私が良く飛ばしたグランドは国分グランド、会瀬グランド、山吹公園、笠松運動公園、海浜公園などでもっぱら早朝に一人で飛ばしていました.
・最近の状況、バルサ機、SAL(SideArmLaunching)
私が夢中になっていた2005年頃と比べ、自作機種、手投げの紙飛行機分野は現在はやや下火になっているようです.2013年の全日本紙飛行機選手権のエントリは60人、木村杯は15人でした.この分野の愛好家は特に自作、手投げにこだわりがありますので、グローバルでより一般的なバルサ機に向かっているようです.バルサになると紙に比べて工作は大変になりますが強度による大きさの制約はなくなり、スパン(翼展開長)1m程度のものが主流になります.そうなると翼端を持って振り回すようなSAL(SideArmLaunching)が普通になり、より本格的な模型飛行機愛好家になっていくわけです.

まとめ

紙飛行機の魅力について、設計、製作、飛行の面からご紹介しました.非常に手軽かつ廉価に入って行け、かつ非常に奥の深い、知的好奇心を充たしスポーツとしても意義のある趣味だと思います.ぜひトライしてみてください.御清聴有難うございました.

参考文献
二宮康明著 「二宮康明の紙飛行機集」誠文堂新光社
小林昭夫著 「図解 飛行機はなぜ飛ぶか?」講談社
加藤寛一郎著 「隠された飛行の秘術」講談社

参考サイトURL
http://page.freett.com/tsukubapp/  つくば紙飛行機を飛ばす会
http://homepage2.nifty.com/iwaki-airmodel/  いわき紙飛行機を飛ばす会
http://homepage2.nifty.com/musashinoPPC/index.html 武蔵野ペーパープレーンクラブ
http://www.yp1.yippee.ne.jp/launchers/ ランチャーズ 模型飛行機クラブ
http://www.ac.cyberhome.ne.jp/~v-tails/pp/index.html Vtails/紙飛行機(CAD他理論派)

旧市街2011/06/09 20:55

 街の様子です.
カラフルな伝統的な衣装を着た女性たち. 頭の上に荷物を載せて運ぶ姿.
黄色と緑のツートンカラーで目を引くオートリキシャー.
道路わきのごみ.
歴史的な建造物.
頻繁に鳴らすクラクション.(車の後ろに「Horn Please」と書いてある)
悠然とさまよう野良牛たち.
生真面目に荷車を曳くラクダ.

 混沌としています.タイムマシンで何世紀か前の世界に紛れ込んだ気がしてくる.

ガンジーの部屋2011/06/06 06:21

 Ahmedabadにガンジー・アシュラムというガンジーを記念する公園があります.この写真は有名なガンジーが糸車を引いていた部屋だそうです.